経済制裁によるロシア政権の打撃
アメリカ・トランプ大統領はプーチン政権に近い実業家(財閥など)や関係企業などに、新たな制裁を次々と科しています。
「ロシアは、このまま暗い道をたどるか、安定と平和のため、我々の側に加わるか、決断しなければならない。」と”新たな冷戦”とも呼ばれるほどに関係が悪化するアメリカとロシア。
【制裁を行う理由とは?】
「ロシアに対して、ウクライナ情勢を巡って、欧米の経済制裁が始まったのは、2014年3月です。ウクライナ南部のクリミア半島のロシアによる併合が原因です。
2016年には、EUが「ウクライナ東部の停戦合意が完全に履行されていない!」と言う理由から経済制裁期限を延長するなど、追加処置がされてます。さらに、2017年から2018年にかけてアメリカは制裁圧力を、さらに強化したのです。
トランプ政権は2018年4月6日、『シリア・アサド政権への武器の供与』など、“ロシアが世界各地でありとあらゆる有害な活動に関わっている”として、ロシア政府高官や新興財閥の資産凍結などを発表します。すると、ロシア通貨ルーブルが大幅に下落しました。
【経済制裁がロシアに及ぼすもの】
この度重なる経済制裁は、極限までストレスを加わったプーチン政権に大ダメージを与え、国内の支持率において盤石を誇るプーチン大統領の足元を脅かしかねない事態となり、プーチンの苛立ちは増加の一途をたどる事態になっています。
トランプ政権は4月、プーチン政権に近い新興財閥や、その関連企業にまで制裁を拡大すると発表し更なるアメリカの経済制裁か続くなか、ロシア議会はアメリカで製造された医薬品の輸入禁止など、対抗措置の検討を始めました。
しかし、市民の間からロシアで人気の高いアメリカの薬が買えなくなると、不安や反発の声もあります。
アメリカの技術力や、アメリカの15分の1ほどというロシア経済の規模の格差を前に、なかなか有効な反撃ができない状況です。
対抗措置の検討を進めるプーチン大統領に近い与党の有力議員は、措置は経済的な効果ではなく、抗議する姿勢を示すことこそが目的だと強調します。
ロシア国営テレビは、『制裁対象となった富豪たちの巨大企業にも莫大な損失が出るなど影響が及んでいる』と伝え、度重なる制裁によってアメリカのビザを取得しようとすると半年以上もかかるなど、市民生活の隅々にまで影響が広がっています。
プーチン政権が恐れるのは、こうしたアメリカの経済制裁によるロシア国民の不満が広がって、それがプーチン政権に対するロシア国民の怒りにつながることです。
プーチン大統領は、新政権の閣僚人事を承認し、ほとんどの閣僚を留任させましたが経済状況が厳しさを増す中、まずは政権運営の安定化を優先させたいという大統領の意向が見てとれます。
【トランプ大統領による危機回避も?】
『何はともあれ話をしてみる』というのが『トランプ流』で、今もプーチン大統領と直接会談したい意向を持っていると見られています。
仮に、足元で続いている『ロシア疑惑』の捜査が終結したりすれば、トランプ大統領がロシアとの関係改善に直接踏み込む可能性もあり得るかもしれません。これによって、アメリカに対するプーチン大統領の過剰な苛立ちが緩和され、爆撃機を出動させ「本気でアメリカに核戦争を挑発させる行為」も緩和され緊張感も減っていくかもしれません。
アメリカのロシア経済制裁は、WW2の日本への経済制裁に似ている?
【第2次世界大戦における、日本の真珠湾攻撃を実行したのはアメリカの経済制裁が理由】
日本は資源に乏しい為、日清戦争・日露戦争でも、短期決戦を目標としていました。宣戦布告から一気に攻め、タイミングを見計らって有利な講和条約を結ぶというのが日本の勝利への方程式でした。
ところが、日中戦争では陸軍が日本政府の命令も無視し、どんどん戦線を拡大していくので、国家総動員法という「国家がすべての人的物的財産を自由にできる」などといった法律も作り、兵・財産・資源の確保に努めました。
1938年当時の首相近衛文博は、日本・満州・中国を統合した経済圏を作ることを示唆し、後に東南アジアをも含めた大東亜共栄圏というスローガンにまで発展します。
一応中立という立場を守っていたアメリカでしたが、この声明にアメリカは強く反発し、アメリカは日本に石油や物資などを輸出しない!といった経済制裁にでることになります。
当時、石油の約8割をアメリカに頼ってた日本です。そのアメリカが石油を輸出しないとなったら、中国と戦争騒ぎではなくなります。どうにか、日本はアメリカと交渉をしますが、アメリカの国務長官ハルは、”中国から兵を引き上げ、ドイツ・イタリアとの同盟を破棄し中国を満州事変以前の状態に戻す事”と無理な提案をしてきます。どうしても日本は、中国と戦争に勝つために必要な石油を欲しているからです。当然、日本政府はハルの提案を受け入れることができません。
そして、1941年10月首相に就任した東条英機はついに日本海軍によるハワイのオアフ島真珠湾攻撃、及び陸軍によるイギリス領マレー半島上陸を決意し太平洋戦争が幕を切るのです。
【本当にロシアはアメリカを攻撃するか?】
攻撃を行うとすれば「核攻撃」となります。一気にアメリカ国防軍のすべてを破壊し、反撃をできないくらい大きなダメージを与えてから、講和条約などに入るはずです。しかし、世界中に米軍基地があり核兵器も用意されてますので、アメリカ本土が攻撃されれば。EUや周辺米軍基地も黙っていないでしょう。これが、核戦争の連鎖となり巨大な世界大戦へと突き進むと思います。
【平和のカギを握るのはトランプ大統領】
トランプ大統領はプーチン大統領と直接会談したり、融和的な交渉を持つカードを持っています。彼が、大統領に在任している限り最悪の事態は免れるでしょう。しかし、アメリカ上院議員による大統領への圧力が強まり国民も、そこに従うようであれば、アメリカ合衆国は壊滅するかもしれません。危機を回避するのはアメリカ国民の勇気と決断だと思うのです。
日本はWW2の戦時中における、アメリカからの経済制裁がありました。これは、日本の愚かな政策(戦争賭博)が巨大な損失をもたらしました。2018年においても、経済賭博が引き金となり日本の財政が破たんするかもしれません。実際に、日本中央銀行(日銀)は債務超過の恐れがあり、これが原因で国内は大混乱になるでしょう。つまり、円も暴落(デフォルト)によるスーパーインフレ(海外輸入品が高騰して購入できない)を引き起こす可能性もあるのです。今の政権にある安倍晋三首相がこのまま為替操作を繰り返せば、間違いなく現実となる恐れがあると思うのです。そうならないことを、心から祈ります。