有名人ブログの枠を超え、読者数が250万人を超える

小林麻央さんは乳がん公表後の平成28年9月、公式ブログを6年半ぶりに開設。深刻な病状や、幼い子供を持つ母親として揺れる思いを包み隠さず記した内容は、通常の有名人ブログの枠を超え、読者数が250万人を超えるなど社会的に高い関心を呼んだ。
麻央さんの病気判明は26年10月だったが、主治医の「がんの陰に隠れないで」との言葉に後押しされ、「KOKORO.」と題したブログを開始。初日に「なりたい自分になる」「子供たちにとって強い母でありたい」(昨年9月1日)とつづった。
以後、入退院を繰り返しながら闘病生活や心のうちを、時には写真入りで発表。抗がん剤治療で髪が抜けた際には、金髪のかつら姿も披露。毎回、がん患者を含む多数の読者から共感や、応援のコメントが寄せられた。
がんの進行は、今年の4月時点で「ステージ4」に。しかし、決して諦めない。
がんの進行状況についても、肺や骨にも転移し、最も進行した「ステージ4」と報告。しかし悲観的になることなく、「ステージ4=死に向かって弱っていくというイメージがまだまだ強いならば希望ある違うイメージも強くしたい」「弱っている日はありますがそればかりではない日常を書いていくことで え? まだ生きてたの? と数年後にも言われたい」(今年4月5日)と前向きな姿勢を貫き通した。
闘病生活だけでなく、夫で歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(39)や長女の堀越麗禾(れいか)ちゃん(5)、長男の勸玄(かんげん)君(4)、姉でフリーアナウンサーの小林麻耶さん(37)らとの交流にもしばしば触れ、「家族のぬくもりに感謝がとまりません」(4月10日)などと心情を吐露していた。
海外メディアからも注目され、英公共放送BBCが選ぶ世界の人々に感動や影響を与えた「今年の100人の女性」の一人に、日本人として初めて選ばれた。
5月には退院し、在宅医療に切り替えた。がん公表から1年となった今月9日には、「今の私の道を作ってくれたブログです」「皆さまとつながり、本当に励まされていました」と感謝の言葉をつづっていた。
最後にブログが更新されたのは20日早朝。毎朝オレンジジュースを飲んでいることを明かし、「皆様にも、今日笑顔になれることがありますように」と結ばれていた。